『煉獄に笑う』って面白いの?に、まず答えます
「『曇天に笑う』は好きだったけど、前日譚のこっちも読む価値ある?」 「どっちから読めばいいの? 全部で何巻? 完結してる?」
この記事にたどり着いたあなたは、そんな疑問を持っているのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。『煉獄に笑う』は、『曇天に笑う』の世界を愛した人にとって”必読の裏側”であり、単体でも楽しめる骨太な戦国アクションです。 しかも全14巻で完結済み。続きを待つことなく、最初から最後まで一気に駆け抜けられます。この記事では、1500冊以上の漫画・書籍を読んできた経験をもとに、本作の何が特別なのか、そして正直に「向かない人」まで包み隠さずお伝えします。
※この記事では、物語の核心的な展開や結末には触れません。シリーズ全体の”仕掛け”に関わる部分も伏せておきますので、安心してお読みください。
なお、記事内の表紙画像は、アマゾンの紹介リンク(商品ページへのリンク機能)のみを使用しています。
どんな作品か
『煉獄に笑う』は、唐々煙先生による戦国時代を舞台にした和風アクション漫画です。マッグガーデンの「コミックガーデン」で連載され、単行本は全14巻で完結しています(最終巻は2022年発売)。人気作『曇天に笑う』を含む”笑う”シリーズの一作で、本作は**『曇天に笑う』の時代から約300年をさかのぼった、前日譚(プリクエル)**にあたります。
物語の舞台は、天正——織田信長が天下統一へと突き進む、戦国乱世の真っ只中です。日ノ本最大の湖・琵琶湖を中心に、「大蛇(おろち)」と呼ばれる存在の器を巡る戦いが繰り広げられます。この「大蛇」というモチーフこそ、”笑う”シリーズ全体を貫く核であり、『曇天に笑う』を読んだ人ならその名にピンとくるはずです。
本作が描こうとしているのは、**「宿命を背負わされた者たちが、それでもどう”粋に”生きるか」**というテーマだと私は読んでいます。作中では「婆沙羅(ばさら)」——派手で自由奔放、既存の秩序にとらわれない生き様——という言葉が繰り返し体現されます。戦国という重い時代設定の中で、登場人物たちが見せる大胆不敵な立ち居振る舞いが、本作独特の爽快感を生んでいます(※これは私の解釈であり、公式の見解ではありません)。
【1500冊の目利き】ここが心に刺さる理由
和風アクション・歴史バトル漫画を数多く読んできた立場から、本作ならではの魅力を3つ挙げます。
理由1:「前日譚」という形式を最大限に活かした構造の妙
続編や前日譚は、本編ありきの”おまけ”になりがちです。しかし本作は違います。『曇天に笑う』で描かれた世界の「なぜ」を、300年前の戦国で解き明かす構造になっており、本作を読むことで本編の見え方そのものが変わってきます。これは、シリーズものを読み込んだ人ほど強く感じる快感です。もちろん本作単体でも戦国活劇として完結していますが、「本編と響き合う」設計の巧みさは、目利きとして高く評価したい点です。
理由2:史実の戦国と「大蛇」の伝奇が溶け合う世界観
本作には、織田信長、明智光秀、羽柴秀吉、石田三成といった実在の戦国武将が登場します。本能寺の変のような歴史的事件も物語に組み込まれます。その一方で、大蛇という伝奇的な存在が全体を貫く。史実の骨格に、和風ファンタジーの血を通わせたこの混交が、単なる歴史ものにも単なるバトルものにも収まらない独自の味わいを生んでいます。歴史が好きな人も、伝奇アクションが好きな人も、それぞれの入口から楽しめる懐の深さがあります。
理由3:唐々煙作品ならではの、美しくケレン味のある画づくり
この作者の絵は、線が繊細でありながら、アクションシーンでは大胆にダイナミックに崩れる——その振れ幅に大きな魅力があります。着物の意匠や戦の場面の描写には、様式美とも言える華やかさがあり、“婆沙羅”という言葉を絵そのもので体現しているように感じます。一部には「画面が密で読みにくい」という声もありますが、それは情報量の多さの裏返し。じっくり絵を味わうタイプの読者には、むしろご褒美になるはずです。
おすすめできる人/できない人
おすすめできる人
- 『曇天に笑う』が好きで、その世界をもっと深く知りたい人
- 戦国時代を舞台にした和風アクション・伝奇バトルが好きな人
- 史実の武将が活躍する歴史ものに、ファンタジー要素が加わる作風を楽しめる人
- 完結済みの作品を、続きを気にせず一気読みしたい人
- 華やかでケレン味のある作画をじっくり味わいたい人
できない人
- 史実に忠実な歴史漫画を求める人(伝奇・ファンタジー要素が強めです)
- 情報量の多い密な画面が苦手で、あっさりした絵柄を好む人
- 流血や激しい戦闘描写が苦手な人(バイオレンスな場面があります)
- シリーズの前提知識なしで、完全に一見さんとして気軽に読みたい人(単体でも読めますが、本編既読のほうが数段楽しめます)
正直に言えば、本作は「まず『曇天に笑う』を読んでから」という声が読者の間でも多い作品です。もちろん本作から入っても戦国活劇として成立していますが、シリーズの妙味をフルに味わいたいなら、本編との合わせ読みが断然おすすめです。
読んだあとにできること・次に読むとよい作品
『煉獄に笑う』を読み終えたら、ぜひ本編『曇天に笑う』(未読の方)や、その番外編・関連作へと読み進めてみてください。300年の時を隔てた物語同士がどう響き合うのかを体感すると、”笑う”シリーズ全体が一枚の大きな絵として立ち上がってきます。また、作中に登場する史実の事件(本能寺の変など)を史料で調べ直すと、作者がどこを史実に寄せ、どこを大胆に創作したのかが見えて、二度楽しめます。
また、本作が気に入った方には、次のような方向で作品を広げるのがおすすめです。当サイトでは関連作品のレビューも公開しています。
- 戦国・幕末など、和の歴史を舞台にした漫画をもっと読みたい方はこちら →【戦国・時代劇漫画のおすすめまとめ記事】
- 伝奇・和風ファンタジーのバトル作品に惹かれた方はこちら →【サイト内リンクの目印:和風ファンタジー・伝奇バトル漫画のレビュー記事】
まとめ:粋に婆沙羅に——戦国の闇を駆け抜ける、完結済みの活劇
『煉獄に笑う』は、『曇天に笑う』の世界を300年さかのぼり、その根源を描き出す戦国アクションです。史実の武将たちと大蛇の伝説が交錯し、婆沙羅な生き様が画面いっぱいに躍動します。全14巻・完結済みなので、覚悟を決めて一気に読むのに最適な一作です。シリーズのファンはもちろん、戦国×伝奇の熱い物語を求める方は、まず1巻から手に取ってみてください。
この作品を読む方法
『煉獄に笑う』が気になった方は、まず1巻から試してみてはいかがでしょうか。
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